2005/11/03

ユーべvsバイエルン

スカパーで7時からやっている再放送を今見終わった。

ヨーロッパではサマータイムが終わり、1時間遅くなったので、現地時間20:30キックオフ、すなわち日本時間で28:30、朝の4時半キックオフとなった。

なので、再放送は7時から。

普通に7時起きで見れるので、すごくいい。



今日も見たのはユーべ対バイエルン。

前節Awayで負けたユーベがHomeでどうリベンジするかに注目だった。



さて、この試合、個人的には、名監督カペッロの采配が目についた。



まずはスタメンで、いつもの4-4-2から、今夏バイエルンから移籍してきたロベルト・コバチを入れた3-5-2に変更。

しかも、両サイドはザンブロッタにキエッリーニ。トップ下にはデル・ピエロ。

ネドベドとカモラネージというユーべの中盤には不動のメンバーがベンチスタート。



試合が始まってすぐに、この試合は後半勝負なんだな、と感じた。

Homeではあるが、バイエルンに試合を支配され、カウンターに活路を見出す展開。

最初はいいプレーをしていたトップ下のデル・ピエロも次第にデミチェリスを中心としたバイエルンの早い出足に潰されて、全体的に攻撃が停滞。キエッリーニも同調して、あまりいいプレーができない。

しかし、デミチェリスという選手はすごくいい選手ですね。全く知らなかったんですが、前節も今節もすごくいい働きをしていました。

調べてみると、リーベル出身のアルゼンチン人。元センターバックだが、ボランチにコンバート。

元DFの選手だけに、“潰す”プレーができますし、南米出身のテクニックもある。バイエルンの中盤を支えていました。



そういうわけで、前半は両チーム見せ場なく、終了。



後半開始からデル・ピエロと交代でネドベドを投入。

デル・ピエロもそこまで悪くなかったけど、バイエルンのあの中盤に対してのトップ下というポジションだと少しきつかったかも。

ここでネドベドというのが非常にいい。

デル・ピエロは最近は交代で使われることも多いが、やっぱり試合を通じての安定型。先発で使った方が調子が出るタイプ。

それに対して、とにかく運動量のネドベドは、終盤になっても足が止まらず、特に後半から元気いっぱいに出てこようものなら、相手DFにとってはすごく嫌。それを見越して、後半投入。



前節でのスコア以上の完敗でバイエルンの強さを感じたカペッロは、試合を通じて真っ向勝負するのではなくて、前半は我慢し、残りの半分でバイエルンを打ち破ろうという作戦を取ったのだろう。

それをやれる力、すなわち前半を耐えることができ、後半に勝負をかけられる力、がユーべにはあるということを知っているからこそできる作戦だ。



案の定、後半から入ったネドベドはピッチをくまなく走り回り、前線からも積極的にプレスをかけることで、相手DFが余裕を持ってボールをつなぐことを不可能にし、次第にユーべ優位の支配率に変えていく。



流れが来たな、というところで10分過ぎにカモラネージ投入。ロベルト・コバチがアウト。4バックに変更。

完璧だ、と思った。



その通り、62分にネドベドがドリブルでペナルティエリア内に持ち込み、相手DFがなんとか足を出して防いだが、そのこぼれをトレゼゲが左足を一蹴!見事なゴールが決まった。

カペッロもしたり顔。これはこのまま勝つな、と思った。



が、完璧なはずの選手交代のカモラネージが最大の誤算。

スタメンから外されて、モチベーションが落ちたのか、ピッチに入っても散漫なプレーが目立つ。

ボールが足につかないし、奪われても追いに行かない。

完全に試合に馴染めていなかった。



その通り、緩慢なドリブルでボールを奪われ、のろのろと戻りながら、味方が相手の足を止めたところで、追いつき、不要なファウルをしてしまう。

しかも、その後にボールを投げて、イエローカードを頂く。

せっかくつかんでいた流れを台無しにする最悪のプレーだった。



サッカーというのはおもしろいもので、1つ1つのプレーは独立しているように見えても、得点が入るときには、すごく流れというのが大事になってくる。

流れがいいときは、簡単に得点が入るし、よくないときはどんなにいい攻めをしても、入らない。守備も同じ。



カモラネージのプレーで流れを失ったユーべは、そのファウルで与えたダイスラーのFKから、そのまま得点を決められてしまう。

最悪。



これはこのまま引き分けがいいとこだな、と思っていたところ、76分にカモラネージに変えて、ムトゥを入れる。

ここもフィットしていないカモラネージを変えてしまえ、とは思っていたが、まだ残り15分あるし、交代をすべて攻撃で使い切ってしまうのはどうなのだろう、と前半から注目していたけど、カペッロは躊躇せずに、勝負に出た。

この試合はどうしても負けられないという意思表示だろう。



その思いが通じたのか、見た目にはイーブンの展開だった85分についに勝ち越し点が。

中盤でボールを持ち込んだビエラが、DFで待つトレゼゲに見事なループパス。それを、今日は特に体がキレていたトレゼゲが胸トラ→体を捻らせて見事な右足シュート。ビューティフルゴール。

今日はトレゼゲの日だった。



そういうわけで、残りは無難に過ごし、ユーべ勝利。



前節勝ったことで、特にメンバーをいじらず、選手交代もほとんどせずに構えたマガト監督に対し、明確な作戦を取り、それを実行するために多少のアクシデントがありながらも、しっかりと采配をふるったカペッロ監督。

珍しく積極采配だった気もする。



監督の采配という視点で見てみると、非常におもしろい試合だった。

日曜にフジでもやるはずだから、暇な人はそれに意識して、見てみて。



詳しく解説しすぎたけど・・・


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